延段講習会を開催しました
2026年3月7日(土)~8日(日)に日本工学院八王子専門学校 実習場にて延段講習会が開催されました。造園連都支部の青年部による企画で、講師は八王子・里美園の佐藤武久氏です。佐藤氏は日本工学院の土木・造園科で技能の講師などもされている1級技能士であり日本で31人しか認定されていない日本庭園士の1人です。受講者16名は寒風の中、2日間にわたって延段の基礎と応用を熱心に学習しました。

延段とは
延段は石敷きの通路のことで、飛石よりも石と石の間隔が狭いです。歩きやすく美しい延段は、造園家にとって必須の技術であるため、国家資格である造園技能検定の課題にも取り入れられています。
下記は今回とは別の講習で受講生が製作した造園技能検定1級課題です。赤い四角形で囲った部分が延段です。一見するときれいに石が並んでいるように見えますが、実はこれ、失敗作なんです。どこがだめなのか、わかりますか?

延段には敷き方によって3種類あり、書道のように「真」「行」「草」と呼んでいます。敷き方が違えば使用する石の種類も変わります。
●真の延段・・・・角状の切石を使用し、直線を基調として敷く延段。上の写真で丸く囲んだ石が切石です。切石は人工的に直線でカットされているため、大きさが揃っており、天辺も平面です。
●草の延段・・・自然石を使用して敷く延段です。上の写真の切り石以外の部分が自然石です。自然石はその名の通り自然のまま、大きさも形もさまざまで、天辺も平面ではありません。
●行の延段・・・角状の石と自然石を使用して敷く延段です。上の写真の延段は、切り石と自然石の組み合わせですので、全体で見ると行の延段です。
行の延段は、切石から続く自然石の高さを揃えて歩きやすく整えるのはもちろんのこと、自然石ならではの造形美を楽しませなければなりません。
石を整然と並べると目地(石と石の隙間)が十文字になったり、まっすぐになったりしがちですが、目地が十文字になることを四つ目地、外周以外でまっすぐのラインを描くことを通し目地と呼び、禁じ手とされています。草や行の延段は、1つ1つ大きさや形が異なる自然石を使うのですから、大小の石を混ぜながら禁じ手にならないようにバランスよく並べる必要があるのです。
これをふまえてもう一度、先の写真をご覧になると、失敗作と評された理由がおわかりになると思います。
講習内容
造園技能検定の課題でもある自然石を使った延段をマスターすることを目標に講習を行いました。
初日の午前中は資料とホワイトボードを使った座学を行い、午後は実際に石を使って延段の作成をしました。






延段の製作手順はシンプルですが、高度な技術力が問われる作業です。
①大枠がわかるよう、ピンホールを立てて水糸をはる。石の高さに合わせて、土を掘る。石の大きさが高さ150ミリ程度でちり高(石が土から顔を出している部分)を50ミリで施工する場合、100ミリは土に埋めることになります。自然石の場合、大きさが1つずつ異なるので、土に埋める深さも1つずつ異なるということです。
②外周のラインがまっすぐになるよう、また天辺が水平になるよう石を選び、並べる。水平器で高さを揃え、位置が定まったら土をかけながらバール等で石の下や周囲の土を突き固め、人が上に乗っても石がぐらつかないようにします。
③目地も突き固め、高さをそろえて整えます。手帚等で石にかかった土を除き、掃除します。

2日目は石の種類を変えたり混ぜたりしながらデザインをアレンジして作成しました。
実際に石を使って作る中で様々な発見があるので、ほとんどの受講生が2日目に作成したときには初日とは比べ物にならないほどいいものができていました。






受講生の中には短冊石やピンコロ石、瓦などを混ぜてアレンジする方もいて、とても楽しんで作業しているようにも見えました。


