■古き山城からの・・・
2019「第36回全国都市緑化信州フェア」金賞・(一社)日本造園組合連合会理事長賞
作庭者:(一社)日本造園組合連合会 東京都支部

全国都市緑化フェア「ガーデンコンテスト」応募作品をご紹介します。
6m×3mと限られたスペースで、こんなにも風情のある庭が作れることに驚かれることでしょう。
コンセプト
私たちの信州松本に持つイメージは「白・アルプスの山々・清らかな流水」です。この3つのテーマを庭の構成要素に取り入れて作庭しました。城跡をイメージした石積みの上から眺める新緑の力強さ、雪解け水を集めた清流の水音、木々を渡る風を感じる庭です。
解説
戦国時代より城は守護防衛策の1つとして、石垣の上に築かれることが多くありました。石材加工の道具が発達していなかった時代の石積みの主流は野面積みです。この野面積みをモチーフとして、古き山城のイメージを再現してみました。
古い庭門を潜ると、揺れる緑の木漏れ日の向こうに城址の力強い石積みが現れます。敷き詰められた落ち葉の中に打たれた飛び石に歩みを進め、流れを渡ると、月光垣の向こうに見え隠れする滝口。石橋を渡り、藤棚が作られた城址へとたどりつきます。木漏れ日を浴び、木々をわたる風を感じ、清流の音を聴く。実際に庭を歩いて春の息吹を五感で満喫してください。
全国都市緑化フェアは、1983年から毎年、全国各地で開催されている都市緑化をテーマとした花と緑の祭典です。主催は、地方自治体・公共団体および(公財)都市緑化機構。フェアの中心的行事である庭園コンテストには多くの民間企業、市民団体が参加し、緑ある豊かな暮らしを来場者に提案しています。